国際協力への興味
高校の時、病気を抱え、困っている人を支える仕事として医療職に興味を持ち、その中でも、生きることにも死を迎えることにも患者に寄り添うことができる看護師を目指しました。
大学生の時に参加した、中国のハンセン病快復村やタイのエイズホスピスでのボランティア経験を通して、文化や習慣の異なる人々と一つの目標に向かって活動をする国際協力に興味を持ち、大学卒業後に3年間日本の病院で臨床経験を積んだ後、JICA海外協力隊に参加しました。
派遣先であるガボンの医療現場に入って感じたことは、日本で治せる病気でもガボンでは治せず、適切な医療にアクセスできない人々が多い、ということでした。この状況を変えるために自分に何かできるはずだ、と強く感じ、途上国の保健医療に携わっていくことを決めました。
国際協力の医療現場でキャリアを形成するためには更なるスキルや知識が必要だと思い、帰国後は大学院へ進学しました。卒業後、アイ・シー・ネットのセネガルの保健プロジェクトの求人を見て「保健医療×フランス語」は、これまでの自身の経験を最大限発揮できると感じ、入社しました。
アイ・シー・ネットでの仕事
入社時から7年間一貫してセネガルのJICA技術協力プロジェクトに携わる機会をいただいているので、日本で最もセネガルの医療事情や保健省の内部事情に詳しく、深いネットワークを持っている自負があります。現在はセネガルで実施されている3つの技術協力プロジェクトに従事しており、看護・助産学生の臨地実習強化を通しての人材育成、誰もが医療へアクセスできるよう健康保険の改善、JICA初となるアフリカでの高血圧や糖尿病などの非感染性疾患対策に取り組んでいます。
最近ではプロジェクトのマネジメントも担当し、日本人およびセネガル人スタッフが楽しく仕事をしながら、最大限成果が出せるよう、日々試行錯誤しながらプロジェクトを進めています。通常業務に加えて管理業務が増えるので大変なことも多いですが、アフリカのより良い医療の実現に、少しでも貢献できればと思い、活動しています。
未来のこと
セネガルで培った経験を元に、他国の保健医療プロジェクトにもチャレンジしたいと考えております。国際機関などへのコンサルティング業務にも従事し、幅広く世界の医療課題に貢献できるよう活躍するフィールドを増やしていきたいと考えています。また、ODA事業以外にも、日本の民間企業の保健医療サービスや衛生関連商品を導入するための調査やサポートも行っており、将来的には、日本の技術とアフリカの医療課題を結びつける架け橋になりたいと考えています。