持続可能な基礎インフラ整備とガバナンスの強化を通じた地域づくり

バングラデシュにおける地域づくりの取り組み
アイ・シー・ネットは、2008年の円借款「南西部農村開発事業」の形成調査を皮切りに、10年以上にわたり、バングラデシュの地域開発に総合的に取り組んできています。これまでに、「南西部農村開発事業」、「北部総合開発事業」、「ハオール地域洪水対策・生計向上事業」、「地方行政強化事業」の4件の円借款事業とそれに付随する各種調査や技術支援を通じてバングラデシュの都市部と農村部の両方で地域づくりに貢献してきました。さらに、「地方都市行政能力強化プロジェクト」、「郡自治体機能強化プロジェクト」といった技術協力を通じて、地域のまちづくりを担う地方自治体の能力強化にも取り組んでいます。
ここでは、「北部総合開発事業」と「地方都市行政能力強化プロジェクト」を取り上げ、バングラデシュの地方都市のまちづくりに対する取り組みを紹介します。
急速な都市化による悪影響
バングラデシュでは、最近の経済成長、人口増加に伴って、農村部から都市部への人口流入が急速に進んでいます。その結果、多くの都市部で無秩序な開発による住環境の悪化が進んでいます。都市部では道路、排水・衛生施設などの基礎インフラの整備が追いついておらず、十分な公共サービスが提供できていません。他方、こうした公共サービスを担う地方都市(ベンガル語で「ポルショバ」と呼ばれる地方自治体)の行財政能力は脆弱で、人材や自己財源が不足しているため、こうした急速な都市化に伴う課題に十分に対処できているとはいえません。
地方都市の行財政能力の強化と基礎インフラ整備を通じた地域づくり

地域づくりのための基盤づくり
地方都市が将来にわたって、持続的に地域づくりを担っていくためには、その基盤となる行財政能力の向上が不可欠です。こうした基盤を整え、地方都市が、将来にわたって、より効果的・効率的に開発事業を実施することができるよう、私たちは支援を続けています。

持続的な地域づくりに向けて
地域づくりに終わりはありません。地域の人々、地方自治体が協力しながら、地域の未来を話し合い、将来にわたって継続的に地域づくりに取り組んでいく必要があります。ここでは地方都市の事例を紹介しましたが、私たちは、バングラデシュの農村部でも同様の取り組みを続けています。2016年からは、郡自治体の小規模インフラの整備と行財政能力の向上を目的とする「地方行政強化事業」と「郡自治体機能強化プロジェクト」にも携わっています。
地域住民が必要な公共サービスを受けることができ、よりよい生活を送ることができるような、そんな地域づくりが持続する基盤の整備に向けて、私たちはこれからも貢献していきます。
本件に関する外部リンク先
北部総合開発事業(英文。バングラデシュ政府)
http://www.lged.gov.bd/ProjectHome.aspx?projectID=276
ハオール地域洪水対策・生計向上事業(英文。バングラデシュ政府)
http://www.lged.gov.bd/ProjectHome.aspx?projectID=290
バングラデシュ北部総合開発事業
https://www.jica.go.jp/oda/project/BD-P74/index.html