Achievements

実績

国際貿易促進のための貿易手続きの円滑化支援

アプローチ
地域
国名 南スーダン、ミャンマー、カンボジア
SDGs 産業と技術革新の基盤をつくろう
クライアント 独立行政法人国際協力機構(JICA)

開発途上国が世界貿易総額(輸出額と輸入額の合計)に占める割合は 2000 年以降一貫して増加し、開発途上国への直接投資も拡大しています。2011 年は全世界の直接投資の約半分が新興・ 開発途上国向けとなっており、多くの国では、持続的な経済成長、貧困削減のため、富の創出・源泉となる民間セクター開発の支援ニーズが拡大しています。

貿易の振興には、主体となる企業・産業が国際市場で競争力を獲得・維持し、貿易・商取引を拡大することが重要となりますが、国際貿易が常にスムーズに行われているわけではありません。各国が自国産業や消費者保護のために輸出入品に高額の関税を課す関税障壁や、輸出入の数量制限、輸入品に過度に厳しい品質検査や安全基準、衛生基準を課すなどの非関税障壁により効率的な貿易が妨げられることがあります。また、実際の貿易実務の中では、輸出入に関係する手続が不透明で煩雑であるほか、輸入の申請をしてから実際に貨物を引き取るまでに非常に長い時間がかかるなど、モノ・サービス等の流れの阻害が貿易の障害となっている例が多くみられます。

アイ・シー・ネットは、これら貿易の阻害要因となっている関税・非関税障壁の削減と貿易手続きの円滑化の支援を行っています。

 

国際基準の導入支援と通関手続きの改善

世界で一番新しい国南スーダンで、アイ・シー・ネットは税関体制の基盤づくりに取り組んでいます。2011年に独立し、歳入のほとんどを石油の輸出から得ていましたが、原油価格の国際相場下落により大幅に歳入が減少し、税関の適切な業務により関税収入を増加させるという役割の重要性が増大しました。さらに、経済活動の促進のため輸出入の増加が期待されており、国境における税関手続きの効率性の向上は喫緊の課題となっています。南スーダンは、独立に際して国際的な輸入貨物の品目分類基準(通称HS条約)に従わず、独自の分類を定めたことから、貿易統計の作成、経済状況の国際比較ができていません。プロジェクトでは、HS条約の品目分類導入を支援し、適切な関税評価が行われるようになることを目指しています。また、HS条約によって分類された輸出入貨物の申告データを各地方税関から収集し貿易統計を作成するための支援も行っています。

 

国の財政法への組み込みと、貿易統計の作成強化

研修を受けた税関職員は、品目分類例規集の作成を通じて品目分類技術に自信をつけました。また研修を通じて作成された教材は、今後南スーダンの統一的な品目分類の規範となることが期待され、プロジェクトの支援によって作成された品目分類表は、南スーダン財政法にも組み込まれました。今後更にこれを改善し、正確な貿易統計の作成を支援していきます。

 

税関業務や通関制度の改善による貿易促進の支援

南スーダンには肥沃な国土と多くの資源があると言われており、これらの資源開発と経済の発展のためには、今後多くを貿易に頼る必要があります。貿易の管理をHS条約による品目分類によって行うことで、国家の経済状況が把握でき、将来多くの投資家を呼ぶことが期待されています。

また近年は、東南アジアの貿易円滑化の支援も行っています。アセアンでは、域内の関税がゼロになり、国境での貨物移動は今後益々盛んになると予想されます。しかし、現状では非効率な手続きで陸国境には渋滞が出来ることが多く、貿易促進の障害となっています。ミャンマーやカンボジアで、国境を挟む両国での通関がスムーズに行えるよう、国境施設を訪問し、通関手続きを行っている関係官庁、通関業者、物流関係者、貿易関係者から問題点を聞き取り、政府にその改善策を提案しています。このような通関制度の改善支援を通じ、貿易促進に貢献していきたいと思います。

本件に関する外部リンク先

https://www.jica.go.jp/project/south_sudan/008/outline/index.html
http://pihs.site/

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