Achievements

実績

フィリピン国ミンダナオにおけるカカオ生産性向上ならびに高付加価値化に関する案件化調査

アプローチ
地域
国名 フィリピン国
SDGs 貧困をなくそう
クライアント Dari K株式会社

市況に左右されるミンダナオ島のカカオ農家

チョコレートビジネスのバリューチェーンの川上にいるカカオ農家は、産品をそのまま売買するため、安く買いたたかれる現状があります。ミンダナオ島のカカオ豆生産はフィリピン全体の9割を占めると言われています。世界的にカカオの需要は上がっているものの、投機対象として扱われるカカオ豆の価格はここ数年で下降の一途を辿っています。そのため、ミンダナオ島に住む多くのカカオ農家は必然的に弱い立場に追い込まれ、貧困に直面する農家もあります。

 

自立のためのカカオ高付加価値化

アイ・シー・ネットは長年にわたり、歴史的にイスラム教徒の多いミンダナオ島バンサモロ地域において、紛争後復興に寄与してきました。特に、兵士として戦った市民の精神的・経済的な社会復帰のために、水産、牧畜、農業などの生計向上プロジェクトを通し、現地の政府と協力して地域の人々の自立を支援してきました。そのような実績から、アイ・シー・ネットは高級チョコレートメーカーDari K株式会社とパートナーを組み、カカオ農家における産品の高付加価値化を目指しました。モデル農家を選定してカカオの高付加価値化を実証し、経済的発展が遅れているバンサモロ地域に拡げていくことで、生計向上の後押しができるという仮説を立てました。高付加価値化と一言で言っても、様々な段階での介入が考えられます。カカオを栽培し、収穫してそれをチョコレートにするまで、どのような付加価値化が可能か・また実施されているかを調査しました。

 

フィリピンでの現地調査

フィリピンでは、カカオ豆の生産に関するバックアップ体制が国を挙げて敷かれていることがわかりました。また収穫後処理についてもある程度の質を担保する手法が普及し始めているようでした。調査の主体であるDari KはBean to Barの先駆けであり、カカオ栽培から商品まで全工程を自社で手掛けているため、どの段階でも高付加価値化へのノウハウを持っています。調査の結果、高級チョコレートメーカーとしての本領を発揮し、高品質のチョコレートを製造する技術で商品の高付加価値化に貢献することができることが分かりました。

 

開発コンサルタントだからこそできる事業を

本調査の中では、予期しない出来事もありました。アイ・シー・ネットのネットワークやこれまでの実績を活かせるバンサモロ地域への渡航が、テロにより禁止されてしまったのです。カカオの様子や、収穫後処理の現場を見られないことは、調査にとっては痛手でした。しかし、関係各所への訪問の中で、ミンダナオ島内のカカオ生産の主要都市以外では、政府機関の支援が行き届いておらず、開発支援の余地が大いにあることもわかりました。安全性や政府機関との関係性が重要となる、民間企業だけではカバーできないエリアを、開発コンサルタントとして今後フォローしていく動きがあります。民間企業の途上国・新興国への進出をより広いエリアにうまく繋げる役割を担いつつ、社内で立ち上がったミンダナオ開発支援プロジェクトの活動が始まっています。

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